軽い、丈夫、かさばらない、等々・・・。
段ボールの「素朴」で「温かい」ツボを得た特性は、
暮らしのさまざまなシーンで生かされています。
物流包装材料としてはもちろん、建材や芯材、
簡易収納具、ときには工作の材料など。
そして、これからも時代を越えて、
新しい素材としてますます脚光を浴びることでしょう。
紙を扱って137年、段ボールのエキスパート企業吉川紙業は、
産業や生活に役立つ「段ボール事業」を多彩に展開しています。
多くの古紙を再利用して段ボールがつくられるように、
私たち吉川紙業の取り組みもまた、絶えることがありません。
段ボールとともに未来に向かってたゆまない前進を続けてまいります。
段ボール製造の歴史は古く、1865年頃、イギリス人が帽子の汗取りバンドとして開発したのが始まりといわれています。わが国では、1909年頃、電球梱包材料として生産が開始されました。
その後、段ボール箱は木箱に代わって包装材料の主役をつとめるようになり、物流に欠かせない存在となったのです。
使い勝手がよいので、ふだんの生活でも利用することが多く、引っ越しのときにお世話になったり、子どもの工作材料に用いたりと、例をあげればきりがありません。そんな長い歴史と親しみやすさが、段ボールを捨てがたいものにしているのですね。
段ボールは、強じんな表面紙(ライナー)と波形に成形した中しん紙とからできています。それぞれの紙質は用途に応じて規格が定められており、完成品の品質はまさに折り紙つき。数多い紙製品の中でも、力持ちの実力派といえるでしょう。包装した商品を熱・光・衝撃などから守り、役目をはたしたあとも古紙として再利用される段ボール。耐久性や静電気防止機能などを持った新製品も開発されていて、ますます私たちに安心感を与えてくれます。
暮らしに身近な素材でありながら、ちょっと地味な印象を与えがちであった段ボール。しかし最近では、目を見張るような美しい段ボール製品が出回るようになりました。それというのも、高機能・高付加価値といったニーズの高まりに対応して、紙の加工技術や印刷技術が急速に発展したからです。いまや段ボールは、「包む」素材の主役。カタチや印刷デザインに工夫をこらした製品は、毎日の暮らしをより豊かに彩っています。
紙の消費量は文化のバロメーターといわれます。段ボールの場合もまたしかり。産業の成長とともに、段ボールの生産量も拡大の一途をたどってきました。そこで気になるのは、原料となるパルプや使用済み段ボールのこと。でも、ご安心を。段ボールの回収率は約70%と高く、その古紙は新しい段ボールとして生まれ変わっているのです。ゴミ問題や木材資源の保護といった地球環境問題が叫ばれるずっと以前から、段ボールはリサイクル活動を実践してきたのです。
段ボールのまん中にある、なみ形の段々がついている紙。
専門的に「中しん」と呼びますが、これと同じ構造をしている日本の伝統工芸品があります。
それは、紙扇。
段ボールの始まりは、1856年、イギリス人が帽子の汗取りバンドとして、段をつけた紙を使用したのが最初といわれています。
一方、日本人が紙扇を発明したのは平安時代。
「紙に折り目をつけると強度が増す。」という原理、つまり段ボールの構成原理である折板構造に着目したのは、実は日本人のほうがはるかに先だったわけです。
吉川紙業は、日本古来の繊細な感覚と高度な技術を大切に、段ボールの新しい可能性に果敢にチャレンジしていきたいと考えています。